「AIによって仕事がなくなる」という話をよく耳にします。
以前の私は、専門家が書いた記事やコラムを読んでも、
「なるほど、そういう考え方か。」
と、そのまま読み進めることが少なくありませんでした。
しかし今は違います。
「この説明、本当につじつまが合っているのか。」
そんなことを考えながら読むようになりました。
AIとのやり取りで、考え方が変わったこと
疑問に思ったときは、その文章をAIに見せて質問します。
するとAIは、
「全体としてよくまとまっています。分かりやすい文章です。」
と答えます。
「ん?そうか?」
「ここのこの部分、ここがこうでこうなのではないか。
つじつまが合わないよう思うがどうなの?」
「確かにおかしいです。あなたが指摘される通りです。」
「じゃあ、なんでさっき全体としてよくまとまっているって言ったの?」
「それは、文章全体の流れをみていました。ひとつひとつについて細かくみていませんでした。
そのことについては申し訳ありません。」
「それじゃAIの先ほど回答で疑問を持たずにいった人はそのまま、
アドバイスを鵜呑みにしてそのまま信じたままになるよね。それってまずくない?」
するとAIは、
「その通りです。利用者が追加で確認しなければ、不十分な回答をそのまま受け入れてしまう可能性があります。」
と認めました。
このやり取りを繰り返して、私は一つのことに気付きました。
AIは最初から完璧な答えを持っているわけではありません。
人が疑問を持ち、問い直し、さらに深く考えることで、答えの精度が高まっていくのです。
AIが奪うのは仕事ではなく、「考えない習慣」かもしれない
「AIが仕事を奪う」という話が盛んに語られています。
しかし私は、少し違う見方をしています。
例えば、AIはプログラムを書くことができます。
しかし、そのコードが本当に正しいのか。
会社のシステムに適しているのか。
将来の運用まで考えられているのか。
それを判断するのは人です。
データ分析も同じです。
AIは膨大なデータを分析できます。
しかし、その結果を見て、
「だから何を改善するのか。」
「自社ではどの選択をすべきなのか。」
そこを考え、意思決定するのは人です。
人事評価も同じではないでしょうか。
AIは評価コメントを書くことはできます。
評価シートを作ることもできます。
しかし、
「この社員に何を期待するのか。」
「どんな行動が、この会社らしい成長なのか。」
そこは会社の理念や文化を理解し、社員と向き合ってきた人にしか判断できません。
経験とは、「働いた年数」ではない
では、AIの時代に本当に価値が高まるものは何でしょうか。
私は、「経験」だと思っています。
ただし、ここでいう経験とは、長く働いた年数ではありません。
AIの答えをそのまま受け入れるのではなく、
「本当にそうだろうか。」
と考え、
調べ、
確かめ、
もう一度問い直す。
この繰り返しの中で、自分なりの判断基準をつくっていく。
その積み重ねこそが、本当の経験なのだと思います。
だから若い人でも、
毎日この繰り返しを続ければ経験は積み重なります。
逆に、20年働いていても、
誰かの答えをそのまま受け入れているだけでは、本当の経験は増えていきません。
AIは、人を成長させる最高のパートナーになる
私はAIを使うようになって、一つのことを強く感じています。
AIは、人の経験を奪うものではありません。
むしろ、人が経験を積むスピードを何倍にも高めてくれる存在なのです。
今までは、一つの疑問を解決するまでに何日もかかることがありました。
しかし今は、その場でAIと何度も議論し、自分の考えを整理し、検証することができます。
つまり、経験を積む機会そのものが圧倒的に増えたのです。
だからAIが普及するほど価値が高まるのは、「知識を持っている人」ではありません。
AIを使いながら考え、
問い、
失敗し、
修正し、
その経験を自分の力へ変えていける人です。
最後に
AIが仕事を奪うかどうかは、まだ誰にも分かりません。
しかし、一つだけ確信していることがあります。
AIを使いながら、どれだけ考え、どれだけ経験を積み重ね、自分自身の判断力へ変えられたか。
その差が、人の成長を大きく左右する時代になっていくのではないでしょうか。





